昨日に続き

nostalji2017-05-12

ダビングして持ってきた時代劇『子連れ狼・三途の川の乳母車』(1972年・東宝/監督:三隅研次)を観る。
黒鍬衆の小頭・黒鍬小角(小林昭二)は、明石柳生の頭目・柳生鞘香(松尾嘉代)に柳生烈堂からの拝一刀(若山富三郎)暗殺命令を伝えます。しかし、一刀の前に鞘香配下の別色女も小角率いる黒鍬衆も、鞘香一人を残して全滅。鞘香は、阿波藩家老から公儀護送役の左弁馬(大木実)・左天馬(新田昌玄)・左来馬(岸田森)の通称・弁天来三兄弟暗殺を請け負った一刀を追いますが……
前半は、黒鍬衆や別色女との対決。女ということで侮る黒鍬衆に別色女たちは実力を見せ、一刀相手に巡礼娘に扮して刃のついた笠をブーメランのように投げつけたり、百姓娘に扮して刀が仕込まれている大根を投げつけたりと、意表をつく殺陣が展開します。
後半は弁天来兄弟との対決。砂丘に穴を掘ってひそんでいた敵を、弁天来は手甲鈎・棍飛・鉄拳とそれぞれ不思議な武器によって次々に殺し、その実力を披露。強敵・左弁馬に対して一刀は、刀をナイフのように投げつけて勝利します。左弁馬は武士の魂である刀を投げたことに驚きますが、一刀は冥府魔道に入っているので武士でもないし人間でもないんですな。武士の美学を捨てたところに、このシリーズの美学があります。
ロジャー・コーマンが前作と本作を編集し、アメリカで『Shogun Assassin』の題名で公開。カルトな人気作品となって、タランティーノたちに影響を与えました。ミスミの名は有名なのだよ。