母不在だが

nostalji2017-08-12

お盆なので父の墓参り。叔母の家に立ち寄り、お礼と挨拶。
藤沢周平:著の『闇の傀儡師(上下巻)』(文春文庫:2011年1月10日新装版第1刷発行)を読了。無限流の達人である鶴見源次郎が、ひょんなことから深傷を負った公儀隠密から密書を託され、将軍継嗣に関わる陰謀に捲き込まれていく伝奇時代小説です。
時代は10代将軍・家治の治世下、主人公は田沼意次と対立している老中・松平右近将監に頼まれて田沼意次と結託している八嶽党を探索することになります。八嶽党は忠直卿の血類で、幕府を怨んで連綿と暗躍を続けている謎の徒党。一味の中に廃れたと云われる柳生古流の使い手がいたことから、主人公は興味を持つのね。
無限流対柳生古流の因縁の対決、無限流を破門された邪剣の使い手との因縁の対決など、“隠し剣”シリーズで見せた剣戟の面白さもさることながら、それぞれの思惑で陰謀をめぐらす幕閣および黒幕の権力抗争も楽しめます。登場人物の正体が徐々に明らかになっていく意外や意外の展開は、上下巻を長く感じさせませ〜ん。