当り前の贅沢さ

nostalji2015-08-20

録画保存していた時代劇『柳生武芸帳・剣豪乱れ雲』(1963年・東映/監督:内出好吉)を再見。シリーズ全9作あるうちの第7作目です。
高仁親皇の13回忌法要に老武士・佐々木左門(佐々木孝丸)が現れ、自分が高仁親皇を暗殺したと言って自決します。青年公家・飛鳥井高光(松方弘樹)は、幕府の弱みを握るために13年前の暗殺事件の秘密が記された柳生武芸帳を手に入れようとするのね。柳生打倒を狙う疋田陰流山田浮月斎山形勲)が高光に協力し、柳生十兵衛近衛十四郎)の前に立塞がります。浮月斎の“寒夜に霜を聞く太刀”の前に十兵衛は刀をはね折られ……
近衛十四郎は鉄扇を使った“無刀取り”の剣技の他に、尾張柳生を襲撃してきた浮月斎一門を相手に槍の妙技を見せます。槍を使った殺陣も上手いんだなァ。
それにしても、法要に向かう牛車の行列、馬による追撃シーン、十兵衛を襲撃する騎馬隊など、牛や馬がふんだんに出てきますが、当時の東映においては、この手のB級作品でも当り前のことでした。役者だけでなく、時代劇のできる動物もいなくなりましたな。
画像は、左門の娘役の藤純子。一葉浮水の小太刀の使い手で、デビュー間もない新人でしたが、後年の緋牡丹お竜さんの片鱗をうかがわせま〜す。