シリーズものとして

nostalji2017-09-20

ダビングして持って来た『やま猫作戦』(1962年・東宝/監督:谷口千吉)を観る。岡本喜八監督の“独立愚連隊”もの(『独立愚連隊』『独立愚連隊西へ』『どぶ鼠作戦』)の流れに乗った戦争アクションです。
竜ゲリラが出没する北支最前線の大田原部隊に平良少尉(伊吹徹)と若葉少尉(夏木陽介)が配属されてきます。部隊の一色中尉(佐藤允)は大田原少佐(中丸忠雄)と同期ですが、その反骨精神から独自で竜ゲリラのアジトを探索中。竜ゲリラによって電信は破壊され、若葉少尉が護衛していた李洪白(田崎潤)の穀物輸送隊が襲われます。一色中尉の協力で若葉少尉がゲリラの一人を捕虜にしますが、捕虜は何者かに殺され、一色中尉は基地内に内通者がいることを推理。怪しいとにらんだ酒場の主人(沢村いき雄)が白商会の張(堺佐千夫)に殺され、張が竜ゲリラの副指令とわかります。平良少尉が指揮に当たっていた特別監視所が竜ゲリラに襲われて全滅。一人生き残った平良少尉はゲリラのアジトを見つけますが……
カラーによる谷口千吉作品で、平良少尉を好きになる芸者の水野久美や、若葉少尉を好きになる中国娘の星百合子に対する情感ある演出に谷口千吉らしさが出ています。ユーモアは不足するものの、喜八監督のスタイルを全体的に踏襲。だけど、中谷一郎たち特別監視所のごろつき兵が活躍しないままアッサリやられるのは残念で〜す。