シリーズにあらず

nostalji2017-09-23

ダビングして持って来た『独立機関銃隊未だ射撃中』(1963年・東宝/監督:谷口千吉)を観る。終戦間近のソ満国境を守る重機関銃トーチカを舞台にした戦争映画です。
昭和20年8月のソ満国境にあるトーチカに志願兵の白井二等兵寺田誠=現在は声優として知られている麦人)が配属されます。トーチカを守るのは班長の山根軍曹(三橋達也)、渡辺上等兵佐藤允)、金子一等兵(堺佐千夫)、原一等兵(太刀川寛)の4人。8月9日未明、ソ連軍が侵攻してきます。トーチカを訪れた小栗小隊長(夏木陽介)の命令は死守。すさまじい砲撃が始まり、近くのトーチカは壊滅し、全ての連絡が途絶えます。金子一等兵は精神が錯乱し、トーチカをとびだして戦死。ソ連軍の攻撃から4日目、全てのトーチカが全滅し……
終戦直前の戦死という戦争の不条理を描いた作品です。ほぼ全編トーチカ内部で話が進行する密室劇で、舞台劇を観ている感じね。戦争の悲劇を声高に訴えるわけでなく、現場のありのままの姿を描き、上出来の反戦映画になっています。『血と砂』(1965年・東宝/監督:岡本喜八)も戦争の不条理を描いた作品で、両作品を“独立愚連隊”シリーズに含めて紹介してますが、戦争をアクションコメディとして描いた他の作品とは内容的に全く異なるもので〜す。