A級作品だが

nostalji2018-04-03

録画していた『ヘイル、シーザー!』(2016年/監督:ジョエル&イーサン・コーエン)を観る。1950年代のハリウッドを舞台に、スター俳優の誘拐事件をコミカルに描いた作品です。
スタジオ専属の何でも屋のエディ(ジョシュ・ブローリン)は、スタジオ内のトラブル処理に毎日過ごしています。大作史劇「ヘイル、シーザー!」主演スターのウイットロック(ジョージ・クルーニー)が共産主義脚本家たちに誘拐され……
1950年代のハリウッドの撮影所の情景をコーエン兄弟は見事にちゃかしていますね。ロバート・テイラー(『クォ・ヴァディス』)みたいなジョージ・クルーニーエスター・ウィリアムズ(『水着の女王』)みたいなスカーレット・ヨハンソンジーン・ケリー(『踊る大紐育』)みたいなチャニング・テイタム、気づいた人は少ないと思うけどカルメンミランダみたいなヴェロニカ・オソリオとか、50年代のハリウッド映画に親しんだ私としては嬉しくなりましたよ。なかでもB西部劇スターをカリカチュアしたオールデン・エアエンライクは最高。ギターを弾いて歌ったり、ロープ技を見せたり、南部訛りで喋ったりと、西部劇好きの私としては拍手、拍手。
映画撮影の各パートは手抜きなく、しっかり作られており(往年のMGM映画を彷彿)、コーエン兄弟らしい映画愛に溢れていますが、映画全体としては深いツッ込みはありません。脚本家たちのレッドパージも表層的だし、ノスタルジックな気分に浸れるだけの作品で〜す。