地元テレビ局が放映した『モネ・ゲーム』(2012年/監督:マイケル・ホフマン)を観る。脚本がコーエン兄弟で、名画を使った詐欺物語というので興味がひかれました。
お話は単純で、英国の美術鑑定士(コリン・ファース)が自分を無能呼ばわりする億万長者(アラン・リックマン)に仕返しすべく、贋作名人(トム・コートネイ)が書いたモネの「積みわら・夕暮れ」を使って詐欺計画を練り上げるんですな。名画の持ち主としてテキサスのカウガール(キャメロン・ディアス)を相棒としてスカウト。カウガールに近づいて仲間に入れと説得するところから計画が成功するまでが画面となって現れるんですが、想像の画面通りにいかないところが、この映画の主眼です。すべてが、「こんなはずではなかった」という展開で可笑しさ満載。
思っていたより洒落た作品だったので、ググって調べてみたら、『泥棒貴族』(1966年/監督:ロナルド・ニーム)のリメイクだったんですね。どうりで、眼鏡をかけたコリン・ファースの雰囲気がマイケル・ケインに似ていたわけです。オリジナル脚本(原案)は、騙し映画の大傑作『テキサスの五人の仲間』のシドニー・キャロル。相棒役をテキサス娘にしたのは、シドニー・キャロルへのリスペクトかな。キャメロン・ディアスの天然ぶりは悪くないのですが、ライオンを縛り上げるのは脚本の筆がすべりすぎた感じ。オリジナルの『泥棒貴族』が観たくなりましたァ。