受賞作ということで

録画していた『ビューティフル・デイ』(2017年/監督:リン・ラムジー)を観る。第70回カンヌ国際映画祭で男優賞と脚本賞を受賞したサスペンス映画です。
人捜しのプロであるジョー(ホアキン・フェニックス)は、ヴォット議員からの依頼で売春組織に拉致されている娘ニーナ(エカテリーナ・サムソン)を救出。しかし、議員との待ち合わせ場所で殺し屋に襲われ、ニーナを連れ去られます。窮地を脱したジョーは、依頼の仲介人を訪ねますが殺されており、さらにジョーの母親まで殺され……
主人公は、少年時代に父親から虐待を受け、海兵隊員として戦場で凄惨な死闘を行ったというトラウマを持っており、老いた母親の面倒をみるのが唯一の慰めになっています。そんな主人公をホアキン・フェニックスが寡黙な演技で観る者を惹きつけます。セリフをできるだけ抑え、映像表現を中心とした演出は、作品の雰囲気にマッチしておりグッド。単純な作品ばかり観ていると、たまには演出意図をじっくり考える作品もいいもので~す。

f:id:nostalji:20190628065415j:plain