旧い歌だが

CDを聴きながら、あれこれ文献チェック。テレビ創生期の想い出を、『ノスタルジック・ワールド』としてHP公開していたのですが、更新もままならず閉鎖したら再開希望のメールがあって、私の記憶にある番組をテレビ開局から順番にシコシコ既存のブログ『懐古趣味』にアップしているところです。『懐古趣味ウエブリブログ』はここへ⇒https://88231948.at.webry.info/
画像は、李香蘭山口淑子)全曲集『』のCDジャケット。2018年は日本におけるレコード産業90年の記念の年で、SPレコード時代に活躍し貢献のあった歌手たちの功績を届けるためにCD集がビクターから発売されました。これは、その一つ。日本人でありながら、中国人として1933年に歌手デビュー。映画スターとしても大人気となりました。彼女の代表曲「蘇州夜曲」は、『支那の夜』(1940年/監督:伏水修)の主題歌で、劇中で歌って大ヒット。当時のキネマ旬報には、「満州生粋の絶世美人スターとして全満の人気を独占している李香蘭が、長谷川一夫の相手役として登場……芳紀正に二十歳、嘗て全満に号令した奉天市長を父に持つ名門の出、長じて北京の日本人学校に学んだため、日本語も流暢」と紹介されています。
作曲家の服部良一は、「中国女性が、日本語で映画の主題歌を歌う!」を真に受け、中国の美しい山河、すすり泣くような胡弓の音などを心によみがえさせながら、屈指のラブソング書き上げました。生涯に3千曲以上作曲している服部良一の最も気に入った曲は「蘇州夜曲」だったんですよ。

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♪~君がみ胸に、抱かれて聞くは、夢の船唄、鳥の唄。水の蘇州の、花散る春を、惜しむか柳が、すすり泣く~
東洋のベニスと云われる蘇州ですが、30年前に訪問した時は、唄のような風情はなく、運河の水は茶色く濁り、異臭も放っていました。現在は、かなり改善されたようですけどね。