ラトビア史劇

録画していた『バルト・キングダム』(2018年/監督:アイガース・クラウバ)を観る。ラトビアの英雄を描いたイギリス・ラトビア合作の劇場未公開歴史アクションです。
時代は13世紀。ローマ教皇の息子マックス(ジェームス・ブロアー)は、バルト諸国の支配者になるため、小国ながら確固たる地位を築くゼムガレへの侵略を計画。すでにキリスト教国になっている隣国の国葬に赴き、出席していたゼムガレ国王と王子に毒を盛ります。かろうじて帰国した王は、勇気と智恵のある遠縁の青年ナメイ(エドヴィン・エンドレ)を後継者に指名。ナメイは復讐のために隣国に攻め込み、マックスは命からがらローマへ逃げ帰ります。ナメイは恋人ラウガ(アイステ・ディルジューテ)と結婚し、平和な日々を送りますが、マックスが大軍を率いて現れ……
ハリウッド製に比べると戦闘シーンなどは小規模ですが、CGを使わないアクションは意外と迫力があります。ただ、編集が拙く、場面のつなぎにギクシャクしているところが見受けられるのが残念。月初に観たオランダ映画『ウォリアー』もそうでしたが、大国(8世紀のフランク王国、13世紀の神聖ローマ帝国)がキリスト教布教の名のもとに侵略していった史実を知ることができて楽しめました。ちなみに、ナメイはラトビアの伝説的ヒーローで、映画のクライマックスになる“ナメイス・リング”はラトビア人の勇敢のシンボルとして男女の区別なく身につけることができ、観光土産となっているようです。

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