ノワール時代小説

大矢博子が『歴史・時代小説 縦横無尽の読みくらべガイド』で紹介していた、月村了衛:著の『コルトM1851斬月』(文春文庫:2016年4月10日第1刷発行)を読了。
主人公は、昼は廻船問屋の番頭、夜は裏金融を牛耳る組織の幹部という斬月の郎次。武器はアヘン戦争を生き残った海賊から手に入れたコルトM1851ネイビー。抜く手も見せぬファニングの早業で敵を倒します。死体はきれいに片付けるので、組織の誰もそのことを知りません。
あるこだわりから、組織の指示に反した殺しをしたことから彼の運命は暗転。裏切られ、組織を追われ、屈辱の底で江戸の暗黒街に絶望的な戦いを挑みます。
著者はコルトM1851ネイビーに相当愛着を持っているようで、まさに物語の主人公的存在です。クライマックスでは殺陣のかわりに銃撃戦が繰り広げられ、時代劇でなく西部劇で~す。

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