週に1度は西部劇

友人に送ってもらった『追撃のバラード』(1970年/監督:エドウィン・シーリン)を観る。信念に生きる西部男を描いた作品です。

初老のメキシコとの混血保安官ボブ・バルデスバート・ランカスター)は、町の人間が小屋を取り囲んでいるところに通りかかります。殺人犯が立て籠もっていると言うのね。取り囲んだ男たちを指揮しているフランク・タナー(ジョン・サイファー)は、自分の弟を殺した殺人犯と決めつけており、バルデスは立て籠もっている男から事情を聞くために小屋に近づきます。男は自分が無実である証拠があるといいますが、功を焦ったR・L(リチャード・ジョーダン)が発砲したため、男と撃ちあいになり、バルデスは男を射殺。人違いとわかり、残された妊娠中の妻(アパッチ女)に見舞金を集めようとしますが、逆に騒動の因となったタナーにいためつけられ、十字に組んだ丸太に縛りつけられて放り出されます。バルデスはタナーから見舞金をとるために意を決し、騎兵隊の軍服に着替え、タナーと同棲しているゲイ(スーザン・クラーク)をさらいますが……

原作はエルモア・レナードの小説で、レナードらしい男のこだわり満載。地の理を得た山岳地帯で、バルデスが追っ手を次々に倒していくのが見せ場になっています。傭兵隊長のセグンド(バートン・ヘイマン)がバルデスの戦いぶりに感嘆し、戦意を失って中立を宣言するのは少し唐突な感じです。ラストはバルデスとタナーが向かい合ったまま鳥瞰ロングショットでエンド。余韻をもたせる演出のつもりでしょうが、観ている方は気が抜けるだけで~す。

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