続いて

友人が送ってきた『地獄の顔』(1947年・松竹/監督:大曾根辰夫)を観る。改心したならず者が昔のギャング仲間と戦うアクション映画です。

順三(水島道太郎)は、上海の魔窟で悪事を働く蘇州の鉄(佐伯秀男)の弟分。警官隊との銃撃戦で傷を負い、倒れているところを牧師の栗原(汐見洋)に助けられます。栗原と長崎に帰った順三は、栗原が面倒をみている孤児院で就労。保母のみち子(月丘千秋)と子供たちの世話をすることで順三は更生していきます。しかし、蘇州の鉄が長崎に現れギャング団を結成。鉄は順三を麻薬密輸の仲間に加えようとして、あらゆる手段を使い……

当時の洋画と比べると甘っちょろいハードボイルド・アクションで、映画評論家から酷評されたのがわかります。順三に好意を持つ鉄の情婦役で木暮実千代が出演。教会のシスター役で月丘夢路が出演しており、千秋と姉妹共演です。順三の弟分でディック・ミネが出演しており、大ヒット曲「夜霧のブルース」を劇中で歌うだけでなく、「長崎エレジー」(歌:ディック・ミネ)、「雨のオランダ坂」(歌:渡辺はま子)、「夜更けの街」(歌:伊藤久雄)が流れます。歌を入れるのは、当時の邦画・娯楽作の定番スタイル。旧き時代の娯楽映画で~す。

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