昨日に続き

DVDで『陸軍中野学校・竜三号指令』(1966年・大映/監督:森一生)を観る。和平交渉使節を暗殺したスパイ一味と戦う諜報員を描いたシリーズ3作目です。

昭和15年秋、日中戦争終結させようとする和平使節が上海でテロにあって全員死亡。事件は竜三号と名づけられ、椎名次郎(市川雷蔵)は中野学校の草薙中佐(加東大介)から事件の調査を命じられます。手掛かりは1枚の銀貨と、暗殺に使われたモーゼルのライフルマーク。上海特務機関の辻井少佐から重慶の国民政府と和平交渉していた親日派の張宇源(松村達雄)のマークを頼まれる一方、銀貨の調査からナイトクラブの賭博場が外国諜報機関の連絡場所であることを突きとめます。南京から共産軍のスパイ・周美麗(松尾嘉代)を追って上海にきた中野学校の同期・杉本(仲村隆)と賭博場で遭遇。杉本から、賭博場にいた外国人のひとりが親日的な商社マンを装っているスパイのスタイナーであることを知らされます。張宇源の屋敷を調べていた椎名は、壺の隠しマイクから張のコックが共産軍のスパイであることをつきとめます。第二の和平使節重慶にむかいますが、飛行機の故障で中共軍の占領エリアに不時着。椎名と杉本が使節の救出に行き、助け出すことに成功しますが、杉本が戦死。椎名が上海に戻ってみると、張宇源はモーゼル銃によって暗殺されており、スタイナーの秘書で憲兵から救って親しくなっていた秋子(安田道代)から、張の頼みで手に入れたスタイナー商会の取引電報のコピーを見せられます。それは暗号で、椎名はスタイナーの金庫からコードブックを盗み出すために……

椎名は上海にある敵国諜報機関を倒すことに成功するのですが、政府は和平交渉を打ち切り、戦争拡大へと進んでいきます。暗殺者との対決など、アクション面には今イチのところがあるのですが、暗いムードが雷蔵のキャラにあっており、それだけが魅力になっていま~す。