再び開始

録画していた『新・悪名』(1962年・大映/監督:森一生)を観る。勝新太郎田宮二郎コンビによるシリーズ3作目です。

終戦で復員してきた朝吉(勝新太郎)は、故郷の八尾に帰ってビックリ。戦死したことになっていて、墓までたっています。女房のお絹(中村玉緒)は既に再婚。しかたなく、大阪の闇市で大福餅を売っている貞の女房お照(藤原礼子)を訪ねます。お照から貞には徳島に老いた母親(武智豊子)がいることを知らされ、身代わりに死んだ貞に代わって親孝行しようと決意。母親を引き取って、八尾に連れて帰りますが、家族は冷たい態度。朝吉の歓迎会に向かう途中の月枝(浜田ゆう子)が進駐軍に暴行され、姿を消します。朝吉は月枝を捜しに貞の母親と大阪へ。月枝は釜ヶ崎でパンパンになっており、貞の弟・清次(田宮二郎)の情婦お雪(万里昌代)が采配を振っていました。朝吉は清次と交渉しますが、ガメツさかげんに手を焼き、仕方なく昔のヤクザ気質まるだしで月枝を清次の手から取り返します。闇市の土地のことで三国人のボス(沢村宗之助)とヤクザ(須賀不二男)に大金を騙し取られた清次は、闇市を乗っ取ろうとする彼らに立ち向かう朝吉に惚れて弟分になり……

前2作は今東光の原作でしたが、3作目からオリジナルです。名コンビとなった田宮二郎の貞を殺してしまったものだから、新たに弟の清次が登場。昔気質の朝吉にドライな清次のコンビは前作以上にパワーアップ。茶川一郎島田洋介今喜多代を配して喜劇味を加え、テンポのよい快調な作品に仕上がっていま~す。