懐かしの時代劇

友人に送ってもらった『御金蔵破り』(1964年・東映/監督:石井輝男)を観る。江戸城の御金蔵から千両箱を盗み出す男の物語。

伝馬町の牢内で半次(大川橋蔵)は富蔵(片岡千恵蔵)と知りあい、富蔵から江戸城の御金蔵破りを持ちかけられます。半次は旗本でしたが、自由を求めて武士を捨てた無頼の徒。役者買いをしている大奥中臈・おこう(朝丘雪路)を誘惑して御金蔵までの状況を把握します。紅葉御殿で花火大会が催される日、半次と富蔵は御金蔵破りを決行。大奥の糞尿を運ぶ肥えたご船で大量の千両箱を運び出すことに成功しますが、半次の様子を探っていた弥太五郎(安部徹)一家が待ち伏せており……

フランスの傑作サスペンス『地下室のメロディー』を時代劇でやろうという企画のもとに石井輝男が京都に呼ばれます。高岩肇の原案を野上龍雄石井輝男が脚色。ジャン・ギャバンが千恵蔵で、アラン・ドロンが橋蔵ね。時代劇が初めてということで、助監督に平山亨がつきます。スタッフは京都勢でしたが、俳優は安倍徹の他に、丹波哲郎(富蔵を執拗に追う目明し)、杉浦直樹(半次の昔の旗本仲間で江戸城の警護役)、青木義朗(半次と富蔵と同じ牢内にいた弥太五郎の片腕)、待田京介(弥太五郎の手下)、今井健二(弥太五郎の手下)、潮健児(弥太五郎の手下)といった石井組が東京から参加。

石井監督は現代劇の感覚で演出をしており、良質のハードボイルド時代劇に仕上がっていま~す。