週末は大作映画

録画したままだった『栄光への脱出』(1960年/監督:オットー・プレミンジャー)を観る。パレスチナ入植を目指すユダヤ人たちが起こしたエクソダス号事件を、同じユダヤ人のオットー・プレミンジャーが製作・監督した212分にもおよぶ大作です。

1947年、ヨーロッパ各地のナチ収容所で生きのびたユダヤ人たちは、祖先の地イスラエルをめざしますが、中東ではアラブ連合ができ、英国はキプロス島に収容所を設けてユダヤ人たちを足止めします。そこへ、米国人のキティ(エヴァ・マリー・セイント)が戦場で死んだ報道写真家だった夫の最期を聞きに、英軍司令官サザーランド将軍(ラルフ・リチャードソン)を訪問。ユダヤ人の状況を知って、収容所の看護婦になり、父親を捜すユダヤ人少女カレン(ジル・ハワーズ)と親しくなります。元英軍将校のユダヤ人地下運動のリーダーのアリ(ポール・ニューマン)は、島にきてキプロスの実業家(ヒュー・グリフィス)の協力をえてユダヤ人帰国船エクソダス号を準備。ユダヤ人移動証明書を偽造し、白昼堂々と2800人の同胞を収容所から脱出させます。将軍の副官コードウェル(ピーター・ローフォード)は港を封鎖して停船させますが、ユダヤ人たちは船に籠城して100時間のハンストを決行。世界の世論を味方につけたエクソダス号に英国は折れ、イスラエルの故地に向かいます。ここまでが前半で、後半はイスラエルの建国とアラブとの対立です。

ユダヤ人看護を通して知りあったキティとアリは愛しあうようになり、カレンの恋人ドヴ(サル・ミネオ)はイスラエル独立のために過激派グループに加わります。パレスチナで平和に暮らしていたアリの父バラク(リー・J・コッブ)は建国のために働き、国連の決議によりパレスチナは英国の委任統治からユダヤ人とアラブ人による分割が決定。それが紛争の火種となり、アリは幼馴染のアラブ人のタハ(ジョン・デレク)たちと戦わねばならなくなり……

感動的な前半と比べて後半は、現在も続くパレスチナ紛争を知っているので感情移入できません。ダルトン・トランボの脚本に、タイトル・デザインはソウル・バス。それにテーマ曲がヒットしたアーネスト・ゴールドの音楽と、映画的には見応えのある作品なんですけどね。テーマ曲に詞をつけたパット・ブーンの歌や、フィランテとタイシャーのピアノデユオのカバーもヒットしました。

WBCの日本VS韓国を観る。3点先取された時はどうなることかと思いましたが、すぐに逆転。終わってみれば13ー4のコールド勝寸前。韓国が次々に投手を代えてくるものだから、試合時間がメチャ長くなりました。