たまには読書

『大俳優 丹波哲郎』(ワイズ出版映画文庫:2022年7月17日第1刷発行)を読了。ダーティ工藤丹波哲郎にインタビューした本で、全617頁のうちインタビューは344頁まで。残りは資料編として丹波哲郎が出た映画・テレビ・舞台の出演リスト。ダーティ工藤がツボを押さえた質問をしているので、丹波哲郎の持ち味の出た面白い内容になっています。私が知らなかったこともイッパイ。

最初に出演した外国映画は『第七の暁』(1964年)とばかり思っていたのですが、61年の日本未公開作品『太陽にかける橋』(三船敏郎が主演した“ペーパー・タイガー”とは別物)が最初。英語が喋れる役者が少ないということで、丹波哲郎(俳優になる前はGHQで通訳していた)には必ずオファーがきたようです。『黒船』『侵略』『北京の55日』『グラン・プリ』『カスター将軍』『ザ・ヤクザ』など。だけど、言いたい放題で妥協しないので、契約が成立しなかったというのは、丹波さんらしいところ。マカロニウエスタン『五人の軍隊』では出演交渉が長引いて、ローマに着いた時には殆どのメインキャストが迎えにきていたとのこと。サムライだとばかり思っていたのですが、横浜で5~6人殺傷して逃げてきた日本のヤクザという設定だったというのは初めて知りました。

東映では石井監督作品の殆どに出演していますが、新東宝時代は仲が悪かったとのこと。岩下志麻がテレビ初出演したのは『バス通り裏』だと思っていたのですが、父親の野々村潔がレギュラー出演していた『トップ屋』に子役で出演していたとのこと。『トップ屋』は観たいドラマのひとつなんですが、生番組なので映像が残っていないのが残念で~す。