ついでに

友人に送ってもらった『百万両五十三次』(1959年・東映/監督:小沢茂弘)を観る。野村胡堂の『三万両五十三次』の映画化。

徳川も終わりの頃、幕府は三万両の金を京都に送って、倒幕の企てを阻止する計画を立てます。老中・堀田備中守(月形龍之介)が大金輸送の役を命じたのは、浅草の朝若(丘さとみ)一座の用心棒で実は隠し目付の馬場蔵人(大友柳太朗)。堀田家から十二の荷を守って家臣たちが出発。同じ頃、堀田家出入りの商人・和泉屋の娘・お蝶(花園ひろみ)の上方への花嫁行列も出発。怪盗・牛若の金五(若山富三郎)と陽炎のお蓮(長谷川裕見子)や、小源太(戸上城太郎)たち薩摩藩士が三万両を狙って出没。さらに、薩摩方に内通している京都所司代・太田内膳正(柳永二郎)が蔵人のもとに腹心の柳川隼人(山形勲)を差し向けますが、金はどこかへ消えています。実は三万両は蔵人の計略によって別路運ばれており……

題名が百万両になったのは、「数字は大きい方がいい」てんで社長が勝手に決めたとのこと。テンポよく展開し、映画としての出来は悪くありません。カンラカラカラと笑ってばかりいる大友柳太朗は明るすぎますな。東映時代劇全盛の頃の作品で、浅草界隈のモブシーンやセットによる瀬田の唐橋爆破シーンは見応えがありま~す。