三部作だが

友人に送ってもらった『新吾二十番勝負 完結篇』(1963年・東映/監督:松田定次)を観る。

白根弥次郎を倒した新吾(大川橋蔵)は、真崎庄三郎の墓で僧侶の弘徳(山形勲)に出会います。弘徳は、新吾の剣に倒れた人たちの家族のために将軍の子として尽くすべきだと、新吾を諭すんです。新吾は、不幸な生活を送っているそれらの人々を目の当たりにして、将軍(大友柳太朗)に会うことを決意。しかし、己の野望のために将軍世継ぎの家重暗殺を企む一味が、新吾を利用しようとしていたことがわかり、新吾の怒りの剣が舞います。母・お鯉の方(長谷川裕見子)が大台ケ原で病に臥していることを知って駆けつける新吾の前に武田一真月形龍之介)が現れ……

“新吾十番勝負”の完成度と比較すると、“二十番勝負”は、かなり落ちます。特に完結篇はひどすぎますね。原作を読んでいないのでわかりませんが、唐突に弘徳という梅井多門の兄が現れたり、“十番勝負”で成敗した井上河内守の遺児・遺臣が登場したり、武田一真が再度登場(“十番勝負”では木刀だったので死んでいなかった)したりと、第二部までとの関連が全然なく、無理やり完結させたとしか思えません。新吾の存在をよく思わない太田備中守も小沢栄太郎から香川良介に変更。長谷川裕見子がオメデタ(その時生まれたのが船越栄一郎)で、第二部から完結編までに2年間のブランクがあり、完結編のテンションが低いのは、ブランクが影響しているかもしれませ~ん。