インディアン迫害史

海外ドラマ『わが魂を聖地に埋めよ』(2007年/監督:イヴ・シモノー)を観る。1860年代から90年のウーンデッド・ニーに至るまでのインディアンと白人の戦いをインディアンの側から書いたディー・ブラウンの西部史を基にドラマ化。

リトルビッグホーンの戦いで第七騎兵隊が全滅した後、アメリカ政府はスー族インディアンを徹底的に彼らの土地から追い出し続けます。そんな中、ヘンリー・ドーズ議員(エイダン・クイン)はインディアンを保護する法案を提出。土地を所持して農夫となる暮らしは、スー族には受け入れられません。サウスダコタのインディアン居留地では、学校教師のエレイン(アンナ・パキン)と、スー族出身で白人の教育を受けたチャールズ・イーストマン医師(アダム・ビーチ)が部族の生活向上のために努力しています。薬剤が不足していて伝染病が蔓延しますが政府は非協力。アメリカ政府に反抗してカナダに逃れていたシッティング・ブル酋長(アウグスト・シェレンベルク)も居留地に移り住みます。やがて、インディアンたちは絶望感から預言者(ウェス・スチュディ)が唱えたゴーストダンスに打ち興じ、ウーンデッド・ニーの惨劇へと続いていきます。

インディアンへの迫害が表面的に語られるだけで、原作の持つインディアンたちの高貴な精神と自然崇拝の美徳が映像化できていません。だけど、おのれに都合の悪い歴史を、ちゃんとドラマ化したことには価値がありま~す。