新作時代劇なので

録画していた時代劇専門チャンネルの『鬼平犯科帳・老盗の夢』を観る。松本幸四郎主演のシリーズ5作目。

京都で隠居暮らしをしていた老盗・蓑火の喜之助(橋爪功)が若かりし頃に愛した女にそっくりの茶汲女おとよ(北乃きい)に出会います。喜之助はおとよを女房にしようと思いますが、おとよは百両の借金があると言い、喜之助は彼女のために江戸で最後の大仕事を計画。江戸に来た喜之助を長谷川平蔵松本幸四郎)と密偵・小房の粂八(和田聰宏)が目撃。平蔵から喜之助探索を命じられた粂八は、独断で喜之助を思い止まらせようとします。喜之助が盗人の口入れ屋・前砂の捨蔵(金田明夫)から集めた助働きの4人の中に粂八の正体を知るものがいて……

これまでのエピソードでドラマには絡まないものの顔を見せていた喜之助が、粂八を殺そうとする者と刺し違えて死にます。助働きの連中は喜之助の意に反して急ぎ働きをしようとしていたんですな。喜之助の夢は愛した女と所帯を持って女を幸せにすること。今は堅気になっている喜之助の配下(梶原善)が、身請けの金百両を持ってそのことをおとよに話すシーンは情感があってグッド。他にも味わいあるシーンが多くて楽しめます。

ちなみに、相模の彦十役でレギュラー出演していた火野正平はこれが遺作となりました。