新作テレビ時代劇

時代劇チャンネルで放送した現:松本幸四郎の『鬼平犯科帳・本所桜屋敷』を観る。松本幸四郎(初代・松本白鷗)→丹波哲郎萬屋錦之助中村吉右衛門と引き継がれてきた人気時代劇を初代・鬼平を演じた幸四郎の孫の幸四郎が挑戦。

鬼平と呼ばれている火附盗賊改の長官・長谷川平蔵が本所界隈を見廻りしていて、旧友の岸井左馬之助(山口馬木也)と再会。左馬之助から、平蔵と道場通いしていた時に二人が憧れていた桜屋敷の娘おふさ(原沙知絵)が嫁ぎ先の大店を離縁され、悪御家人の妻になっていることを知らされます。気になった平蔵は御家人屋敷に行き、屋敷から叩き出される若い頃の悪仲間だった相模の彦十(火野正平)と再会。屋敷は賭場になっており、無頼の者たちが出入りし、仕切っているのはおふさとのこと。平蔵は彦十に様子を探るよう依頼。彦十はかつての盗賊仲間を見つけ、一味に潜入。おふさが追い出された嫁ぎ先を怨み、その商家を狙っていることを知らされ……

1時間程度の枠でおさまるエピソードを倍の時間にしているため、若き日の平蔵(市川染五郎)をふくらまし、道場の食客で平蔵の恩師でもある松岡重兵衛(松平健)との因縁を創作。幸四郎の殺陣は固くて今イチですが、鬼平の雰囲気は出ています。シリーズ化されるので、徐々に上手くなっていくでしょう。

ちなみに、「本所・桜屋敷」のエピソードは丹波哲郎版では放送されませんでしたが、初代・白鷗版では、左馬之助=加東大介、おふさ=浜木綿子錦之助版では、左馬之助=神山繁、おふさ=松尾嘉代吉右衛門版では、左馬之助=江守徹、おふさ=萬田久子というキャスティングでした。