昨日に続き

西部劇の友人から届いたDVD『ワイルド・ウエスト 復讐のバラード』(2017年/監督:ジャレッド・モシェ)を観る。アカンタレ老カウボーイの復讐物語です。
上院議員に選出されたばかりのモンタナ州の牧場主エディ(ピーター・フォンダ)は、長年の従者であり相棒のレフティビル・プルマン)と馬泥棒を追っていて何者かに狙撃されます。エディのかつての仲間であったジム(ジム・カヴィーゼル)とトム(トミー・フラナガン)が弔問に訪れ、エディの妻ローラ(キャシー・ベイカー)から、レフティが犯人を追っていることを知らされ、連邦保安官のトムがレフティを捜しに出発。レフティは追跡の途中で、ガンマンにあこがれる若者ジェレマイア(ディエゴ・ジョセフ)と知りあいます。トムもレフティに会い、犯人一味の隠れ家へ。銃撃戦でジェレマイアが重傷を負いますが、エディを殺した一味のボスであるフランクを捕まえます。しかし、今は知事であるジムの部下がフランクに金を渡していたことがわかり……
学問もなく、動きも鈍調で度胸もなく、優しさだけが取り柄という主人公が、相棒の仇を討つという一念で行動する姿が、ビル・プルマンの好演によってこの作品の魅力になっています。ジャレッド・モシェの演出に際立ったところはありませんが、哀愁を感じさせる西部劇で~す。

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時代劇の次は西部劇

西部劇の友人から届いたDVD『砦の29人』(1966年/監督:ラルフ・ネルソン)を観る。インディアンとの戦いを描いた正統派西部劇です。
レンズバーグ(ジェームズ・ガーナー)は、友人のマカリスター少尉(ビル・トラバース)に呼ばれてクリール砦に行く途中で、アパッチに追われているエレン(ビビ・アンデルソン)を救います。エレンの夫グレンジ(デニス・ウィーバー)はクリール砦の貨物輸送人。砦に着くと、レンズバーグはマカリスターから妻だったインディアン娘の頭皮を渡されます。マカリスターはそれをコンチョ砦で保安官から手に入れたとのこと。新兵や食料・弾薬補給のために輸送隊がコンチョ砦へ出発するのでレンズバーグは同行することにしますが、エレンが夫から逃げ出してアパッチ部落に向かったことを知ってアパッチ部落へ。エレンは1年以上もアパッチの虜になっており、子どもを産んでいたんですな。隙を見はからってエレンとその子を連れ出したレンズバーグは、部落に子供や老人を除いて男の姿がないのに気づき、アパッチが輸送隊襲撃のために出発したと考え……
広大な荒野でガーナーがビビを救う冒頭シーンのロングショット撮影にまず引きつけられます。アパッチと騎兵隊の攻防も迫力ある映像で展開しグッド。インディアンに対する偏見と差別といった厳しい切り口も見せており、見応えのある西部劇といえま~す。

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画像は、ジェームズ・ガーナーシドニー・ポワチエポワチエの役は元騎兵隊員で野生馬を騎兵隊に売るカウボーイ。砦の司令官から調教した馬でなければ金を払えないと言われて、輸送隊に同行して売った馬を調教。救援隊を呼びに行ったガーナーからビビを預けられ、アパッチ相手に大活躍。この作品以前の西部劇では黒人が活躍することはなかったのですが、ポワチエの存在により、以後の西部劇で黒人が活躍するのが当たり前になりました。

韓国時代劇から

BSプレミアムで放送していた韓国時代劇『100日の郎君さま(全16回)』を観了。朝鮮王朝時代を舞台にした史実とは関係ないフィクション時代劇です。
世子のイ・ユル(ド・ギョンス)は、外出中に重臣キム・チャオン(チョ・ソンハ)に命を狙われ、記憶を失って初恋の娘ユン・イソ(ナム・ジヒョン)の養父ヨン(チョン・ヘギュン)に救われます。ユン・イソの父はキム・チャオンに謀反の罪で殺され、ユン・イソは謀反人の娘ということでホンシムと名を変え、庶民の娘として生活。イ・ユルは、記憶がないことをいいことにヨンからホンシムの許婚者ウォンドクとして、ホンシムと結婚させられます。記憶がなくても中身は高貴な世子、庶民の暮らしとのギャップがこのドラマの売りです。朝廷の陰謀をめぐる人間関係は、毎度お馴染みのパターンで、予想通りの展開。主人公を危険な戦地に赴かせて殺そうとするのは、『不滅の恋人』でも使われていましたなァ。ただ、悪党との対決はこれまでの韓国時代劇にないアッサリしたもので、ラブロマンスが中心。ラブロマンスを挿入歌で盛り上げる韓国ドラマの特徴が、この作品でも活かされていま~す。

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ちなみに、来週(11/10)からは、『ヘチ 王座への道』が始まります。若き日の朝鮮王朝第21代王・英祖が主人公。ラブロマンスのあまりない硬派のドラマみたいです。

時代劇から

BSプレミアムで始まった時代劇『赤ひげ2』を観る。山本周五郎の人気小説が原作ですが、原作は前シーズンで全て使っているので、シーズン2はオリジナルです。
保本登(中村蒼)は奥医師になる話を断って、貧乏人の医療施設・小石川養生所で働いています。赤ひげと呼ばれる所長の新出去定(船越英一郎)の人間性と行動に興味が引かれ、同僚の医師・津川玄三(前田公輝)や新人医師・田山真一郎(鈴木康介)とともに貧しい患者を相手に奮闘中。
第1話は、岡場所の遊女・およね(佐津川愛美)が足を刺されて入所してきます。ひねくれた性格のおよねは赤ひげに恨み抱いており……
赤ひげの過去の一端がわかるエピソードですが、およねが入所してくる設定に無理があるような気がします。それ以外は、定番通りの展開。原作のキャラが上手く活かされてるので、平凡な内容ですが楽しめました。第2話以降のエピソードに期待で~す。

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SFといっても

録画していた『アストロ』(2018年/監督:アシフ・アクバル)を観る。宇宙研究所の極秘プロジェクトに捲き込まれた男の戦いを描くSFサスペンスです。
娘と平穏の日々を過ごしている元軍人のジャック(ゲイリー・ダニエルズ)のところへ、元同僚で今は宇宙事業で成功したアレックス(マーシャル・ヒルトン)から極秘プロジェクトへの参加を強請されます。参加を断ると娘が狙われ、ジャックは有無を言わせぬアレックスと対決。アレックスの施設で見せられたものは、ジャックと同じDNAを持つヒューマノイド形の地球外生命体で……
前半はアレックスが雇った武装集団とジャックのアクションばかりでSFらしいところがなく、後半になってブラックホールを利用して隣りの銀河系から連れてきた宇宙人が何故ジャックと同じDNAを持っているかという謎の解明になります。昔から地球で暮らしている宇宙人がアレックスの事業に協力しているんですが理由がわかりません。アレックスが連れてきた地球外生命体と地球で暮らす宇宙人との関係も不明。地球外生命体はジャックのDNAから作られたらしいのですが、その理由も意味不明です。こんなわけのわからない映画は初めて。チーピーな宇宙研究施設にチーピーな宇宙船。SF的映像にも見るべきものは何もなく、最低も最低、Z級作品で~す。

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ペットでなく

録画していた『A-X-L/アクセル』(2017年/監督:オリヴァー・デイリー)を観る。軍用ロボット犬と人間の青年の交情を描いたSFアクションです。
実験中に故障し、施設から逃げ出した軍用犬A-X-Lをバイク好きの青年マイルズ(アレックス・ニューステッター)が発見します。マイルズはロボット犬の破損個所を修理。一方、A-X-Lを捜していた軍関係者は、A-X-Lが再起動したことで居場所をつきとめ、奪還にやってきます。A-X-Lと信頼関係を築いたマイルズは、ガールフレンドのサラ(ベッキー・G)とともに、A-X-Lと逃走しますが……
自我に目覚めたロボットと人間の交流というのはよくあるパターン。最先端AIによる高い学習能力と強力なパワーを持つだけでなく、犬が持つ忠誠心を備えているのがミソですな。CGでなく等身大のマシン犬も使っているので、アップなどでは質感が出ています。ストーリーは平凡ですが、犬が好きな私としては楽しめました。軍用犬は願い下げですが、介護ロボット犬なんかができると良いですなァ。

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西洋は魔女

録画していた『ラスト・ウィッチ・ハンター』(2015年/監督:ブレック・アイズナー)を観る。ヴィン・ディーゼルが不死の魔女ハンターを演じるダークファンタジー・アクションです。
800年前に不死の呪いをかけられた魔女ハンターのコールダー(ヴィン・ディーゼル)は、現在に至るまで存続する魔女の悪事を防ぐために戦っています。ドーランと呼ばれる神父が、代々コールダーの相棒を務めてきましたが、36代目ドーラン(マイケル・ケイン)が何者かに殺され、37代目ドーラン(イライジャ・ウッド)と捜査を開始。魔女のクロエ(ローズ・レスリー)と接触しているうちに、800年前に殺したはずの魔女の女王が復活しようとしているのがわかり……
死ねないことが呪いなのか、よくわかりませんが、性格のよい魔女もいたりして、ありがちな物語です。映像は悪くないのですが、スケール感はとぼしく、アクションも平凡。マイケル・ケインイライジャ・ウッドといった有名どころは出ていますが、平均的B級映画にすぎませ~ん。

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画像は、ローズ・レスリーヴィン・ディーゼルイライジャ・ウッド