パルプマガジン

nostalji2005-03-05

荒俣宏の『パルプマガジン』(平凡社)を読了。パルプマガジンは1900年〜50年代にわたって刊行された大衆小説を掲載した雑誌でタイトルは300を数えます。きわめて質の悪いザラ紙(パルプ紙)に印刷して低価格(10セント)で販売されました。SFの「アメージング・ストーリーズ」とハードボイルドの「ブラック・マスク」などは日本でも有名ですが、西部小説のジャンルでも「ウエスタン・ストーリー・マガジン」という50万部以上発行した人気雑誌があったとのこと。日本にはパルプマガジンのSFやミステリーの研究家(蒐集家)はいても、西部小説の研究家(蒐集家)がいないのが残念ですね。というのは、『駅馬車』、『赤い河』、『捜索者』などの名作西部劇の原作がパルプマガジンに掲載された小説なんですよ。当時、西部小説は文学として認知されておらず、西部小説はパルプマガジン以外では書けなかったジャンルのようです。それから、パルプマガジンのヒーローといえば、ターザン。ドック・サヴェージやザ・シャドウも映画化されているので知っている人がいるかも。
パルプマガジン関連で西部小説の媒体の歴史を調べる。ハマルと抜けられなくなるので、関連書籍にザッと目を通すだけにしました。