古い西部小説

nostalji2005-03-19

西部劇ファンのメール知人から送ってもらった植村郁夫:訳の『ブレット・ハート短篇集』(研究社新訳註業書)を読了。1952年発行の古い本ですが、西部小説ですからね。1850年代のカリフォルニアを舞台に、そこに生きる坑夫や賭博師、酒場の女を題材にした6つの短編が収められています。「ロアリング・キャンプのラック」は、親を失ったインディアンの赤ん坊を、金鉱さがしの坑夫たちが皆で世話をする話なのですが、その設定が山川惣治の『荒野の少年イサム』の最初の部分と全く同じなんです。ロアリング・キャンプの連中は、悪いことをして役人に追われている者やら、飲んだくれやら、ケンカ好きやら、何をやってもうまくいかないでヤケになって故郷をとびだしてきた者やらで、荒んだ生活をしていたのですが、赤ん坊の無邪気さに心が和み、ラックと名付けて崇拝するんですね。父と離ればなれになった赤ん坊のイサムがロッテン・キャンプ(名前まで似ている)の荒くれ男たちに拾われ、サンボーイと呼ばれて可愛がられるのと同じです。そして、キャンプが洪水で跡形もなく流されるところもね。山川惣治は、西部劇(絵物語)のアイデアを西部小説を参考にしたと語っていましたから、この小説が元ネタになっていることが考えられます。画像は漫画化した川崎のぼる山川惣治:原作)の『荒野の少年イサム』の第1巻。
「K1グランプリ・アジア予選」を観る。稼がなきゃならないのだろうが、曙はいつまで醜態を見せるのですかねェ。あれじゃ、格闘家でなく道化だよォ。それにしても、K1がいつのまにか相撲部屋になっていま〜す。