長谷川一夫の荒木又右衛門は……

nostalji2005-11-18

録画していた長谷川一夫主演の『伊賀の水月』(1958年・大映/監督:渡辺邦男)を観る。この作品の方が先なのですが、市川右太衛門が主演した東映の『天下の伊賀越・暁の血戦』(1959年/監督:松田定次)と同じような内容なので、キャスティングが似ていました。黒川弥太郎と大友柳太朗、市川雷蔵大川橋蔵、見明凡太郎と月形龍之介河津清三郎山形勲といった具合にね。他の“荒木又右衛門”と違っていたのは、この作品では槍の桜井半兵衛が登場せず、河合又五郎宝蔵院流の槍の遣い手となっていたこと。又右衛門が鉢巻に差して使う手裏剣が柳生十兵衛のものだったことですかね。役の上で、渡辺数馬(鶴見丈二)より従僕の武右衛門(林成年)に大きな比重をかけていたのは、長谷川一夫の息子だからかなァ。それにしても、長谷川一夫の二刀流の立回りは、やたらカッコつけるので流れが止まって見ておれませんでした。長谷川一夫は剣豪スターじゃないよォ。