何が七変化

nostalji2006-01-29

本日の朝日新聞の1面に、昨年“高齢者犯罪1割占める”、“殺人、15年で3倍”とありましたが、当然ですよね。高齢者がどんどん増えているんですから。1990年から2004年の間で、高齢者人口が1.7倍に増えたのに対し、検挙された高齢者は6.6倍になっているとか。高齢者の犯罪が増える社会は、豊かな社会とはいえませんよ。これから団塊の世代が高齢化していき、ますます犯罪は増えるでしょうね。精神的にも経済的にもゆとりある団塊の世代が果たしてどれだけいることやら……
33面の「TVダイアリー」というコラムで、黒木瞳が、“映画が何よりステータスが高いと思っていたのは勘違いで、テレビにもおもしろい作品がある”と書いていましたが、本来、映画はステータスが高くないといけないものなんですよ。わざわざ客が金を払って観に行くわけですからね。テレビでは出せない魅力を、映画制作者は常に考えていて欲しいですねェ。
録画していた『大江戸七変化』(1949年・大映/監督:木村恵吾)を観る。原駒子の幽霊や化け猫(着ぐるみで、まるで喜劇)が出て怪談風かと思うと、坂東好太郎と佐川悦子のメロドラマ(バックに主題歌が流れる)が延々と続いたり、クライマックスの証拠の血判状争奪はコメディ仕立て。内容が七変化しています。これは観客サービスというよりシナリオが破綻していますね。主役の市川右太衛門大岡越前は何もしないで事件が解決します。だから右太衛門は見せ場がありません。大友柳太朗はニヒルな殺し屋で、セリフが殆どありません。セリフがないのは構いませんが、柳太朗と右太衛門の対決がないのは許せませんねェ。柳太朗が抜き打ちに斬りつけ、右太衛門がかわして、それでオシマイで〜す。テレビがなかった時代の悪しき映画。久しぶりに、怒りの大放屁、チャブ台がえし!
画像は、『大江戸七変化』の市川右太衛門と大友柳太朗。スチールだけ見たら、当然二人のチャンチャン・バラバラがあると思いますよねェ。