意味不明な邦題

nostalji2006-05-22

録画していた未見の西部劇『地獄の拍車』(1957年/監督:ホール・バートレット&ジュールス・ブリッケン)を観る。南北戦争直後の混乱している南部の町に、軍政官として赴任した北軍の少佐(ジェフ・チャンドラー)が力で住民を押さえつけるのでなく、民主的な統治で町を復興しようとする物語です。邦題からは予想できないシリアスな内容で、娯楽アクションを期待していると肩すかしを食います。主人公の行動を理解し、感情よりも理性が優先して最初に協力するのが、西部劇の定番通り、医者・牧師・新聞記者というのは、いかにもアメリカ的でした。傷病者には、神の下には、意見には、敵・味方はないというのが西部劇全盛時のアメリカの基本理念でしたね。ラストの処理も、親の情より正義を優先するアメリカの思想が出ていました。最近のアメリカの正義は力の誇示ばかりで、古き良き時代のアメリカの理念が忘れられているような気がしますねェ。それにしても、内容と関係ない邦題は考えものですよ。ところで、洋盤サントラレコード(原題:Drango)が5〜6年前に中古レコード屋で2〜300円で売られていたのを思い出しました。音楽がエルマー・バ−ンスタインだったので興味がわいたのですが、知らない作品だったのでパスしたんです。まさかテレビ放映されるとは思わなかったものなァ。
画像は、ジュリー・ロンドンのLPジャケット。悪人の愛人役で出演しているのですが、どうでもいいような役で、彼女の魅力が出ていませんでした。