独りよがりな脚本

nostalji2008-07-17

録画していた市川雷蔵主演の『影を斬る』(1963年・大映/監督:池広一夫)を観る。徳川将軍家から嫁入りした奥方(坪内ミキ子)に頭があがらない殿様(成田純一郎)と仲の良い主人公(市川雷蔵)は剣術指南役なんですが、本業よりも夜遊びにうつつをぬかして屋敷は貧乏、家人(藤原釜足)にまで金を借りているような仕末。剣術の腕の方も、道場破りにきた浪人に金を渡して負けてもらっているんですな。そこへ家老の娘(嵯峨三智子)が押しかけ女房でやってきたのですが、婚礼の日に家中が見守る中で試合をし、女房にコッピどく打ちのめされて江戸に修行に行くんです。だけど、江戸へ行っても夜遊びばかり。いつまでたっても女房殿に勝てません。ある日、女房そっくりの芸者にあい、彼女をくどくんですが、浪人に襲われて彼女をおいて逃げ出します。彼女に愛想をつかされた主人公は一念発起して剣の修行をし、女房を打ち負かします。女房は貞淑な妻となり、殿様を尻に強いていた奥方も貞淑な妻となり……
男権復活?映画なんですかね。とにかく、よくわからない映画でした。何で家老の娘が押しかけ女房になったのかわからないし、主人公が一念発起するのも唐突すぎます。だって、芸者が女房だということを主人公は気がついていたんですよ。それに主人公以外の登場人物の行動が納得のいかないことばかりで、小国英雄のシナリオにしてはひどすぎま〜す。