録画していた『ノーカントリー』(2007年/監督:ジョエル&イーサン・コーエン)を観る。相撃ちした死体が散乱する麻薬取引現場から大金を持ち逃げした男(ジョシュ・ブローリン)が、組織の殺し屋(ハビエル・バルデス)から狙われ、男を保護しようとする保安官(トミー・リー・ジョーンズ)が二人を追う追跡ドラマね。コーエン兄弟の作品だけに、アクション映画の形をとった不条理ドラマに仕上げています。特殊なエアガンで次々に射殺していくハビエル・バルデスの殺し屋が圧倒的な存在感を持っていますね。彼なりの行動哲学を持っているのですが、それは常人には理解できないもので、動機薄弱な殺人事件が多発する現代社会を反映しています。旧いタイプの人間が住める世界じゃないですよ。まさに、“No Country for Old Men”で〜す。
画像は、保安官役のトミー・リー・ジョーンズ。彼のナレーションで始まり、彼のセリフで終ります。旧い西部男を表現できる役者が数少なくなり、トミー・リー・ジョーンズは貴重な存在です。誰にも頼らず殺し屋と対決しようとするジョシュ・ブローリンも西部劇が似合う役者だと思いますね。テレビ西部劇『ヤングライダーズ』が懐かしいです。それにしても、本格的な西部劇が観たいよォ。