個人趣味本

nostalji2010-01-26

小谷野敦:著の『大河ドラマ入門』(光文社新書:2010年1月20日初版発行)を読了。原作・脚本から始まり、キャスティング、音楽、時代考証などあらゆる角度から大河ドラマについて論じていますが、主観中心の個人趣味的分析(まえがきで著者が述べている通りの“よもやま話”ね)に終っています。第2章の「大河ドラマのキャスティング」には事実誤認も多々見られ、大河ドラマの資料としては、あまり役立つものではありませんね。
画像は、『独眼竜政宗』のポスター。評判の悪かった『山河燃ゆ』→『春の波濤』→『いのち』と続く近代三部作の反省から従来の歴史ヒーローものに復活した記念すべき作品でした。平均視聴率39.7%(最高視聴率45.8%)という大河最大のヒット作なんですが、面白くないという著者の主観だけで大ヒットの分析がされていません。伊達政宗は戦前から人気のあった戦国武将で、歴史好きにはお馴染みでした。国民的美少女アイドルの後藤久美子(少女時代の愛姫役)の出演や、いかりや長介鬼庭左月役)・イッセー尾形(国分政重役)などのユニークなタレントの出演といった幅広いキャスティングは興味がひかれましたね。渡辺謙も凛々しくて、その印象が強いものだから、『天地人』の松田龍平が貧弱で仕方なかったです。
映画化された伊達政宗を、HP:チャンバラワールドの「時代は戦国」に追加アップ⇒http://www.asahi-net.or.jp/~uy7k-ymst/chzak10/sengok2.htm