アメリカの精神は西部劇だった

nostalji2010-05-27

画像は、『アウトロー』(1976年/監督:クリント・イーストウッド)のチラシ。惹句に“アメリカ建国200年記念超大作”とあるように、イーストウッドにとってアメリカを表現するには西部劇なんですね。近代アメリカ形成において重要な出来事だった南北戦争を背景に、復讐に人生をかける男を描いたこの作品は、“戦争の虚しさと和解の必要性”をテーマにしていたのですが、イーストウッドの意図とは裏腹にベトナム戦争が終わったばかりで精神的トラウマが残っている米国民には受け入れられなかったようです。
だけど、“7丁の拳銃を身につけて<一人の軍隊>と呼ばれた凄いアウトローがいた!”の惹句にみられるアクションの迫力、老インディアン(チーフ・ダン・ジョージ)のユーモア、美しき風景と、本格的西部劇としての面白さはバツグンです。最後の扱いは『必殺の一弾』に似たところがあり、イーストウッドが愛する西部劇の記憶が刻み込まれている気がします。それと、銃器考証にもガンマニアのイーストウッドのこだわりを感じますね。『夕陽のガンマン』や『続・夕陽のガンマン』での銃器考証にもイーストウッドが貢献しているんじゃないかなァ。