黒&赤VS白

nostalji2010-10-09

ビデオで『ブラック・ライダー』(1972年/監督:シドニー・ポワチエ)を観る。白人にとって優等生的黒人俳優だったシドニー・ポワチエが監督主演した西部劇です。西部へ移住する黒人幌馬車隊のガイド(シドニー・ポワチエ)が、黒人を南部に連れ帰って小作人にしようとする悪党(キャメロン・ミッチェル)一味と戦う物語ね。ラストで弾丸を使い果たしたポワチエたちの救援に駆けつけるのが、騎兵隊でなくインディアンというのが70年代からの西部劇を特徴づけています。
スパイク・リーのような強烈な黒人視点に立った作品ではないですが、安手の低俗なブッラックスプロイテーション映画と異なり、良質な黒人娯楽映画に仕上がっています。口琴を中心とした音楽や、二連式(横型でなく縦型)の散弾拳銃(横型はマッド・マックスやケオマで使われましたな)などの小道具にも工夫があって楽しめます。ただ、演出面では切れ味が今イチで、まどろっこしいところもあるんですけどね。ポワチエは相変わらずの優等生ヒーローで面白みはありませんが、ハリー・ベラフォンテはこすからいが義侠心のある巡回牧師をユーモアたっぷりに演じて良い味を出していました。