キャラだけでは

nostalji2010-11-28

録画していた『いも侍・蟹右衛門』(1964年・松竹/監督:松野宏軌)と『いも侍・抜打ち御免』(1965年・松竹/監督:松野宏軌)を観る。
『いも侍・蟹右衛門』は、世話になったヤクザ一家の娘(倍賞千恵子)の手助け、面倒をみた子どもの父親(蜷川幸雄)が仇討するのを助太刀、掘雄二を首領とする道場破り集団との対決、邪剣の使い手として道場を破門になった天知茂との決闘、それに野川由美子の女スリが絡んでと、内容的には盛りだくさんなのですが、演出がモタモタしていてチャンバラの面白味が出ていません。画像は、長門勇野川由美子
『いも侍・抜打ち御免』は、前作と同様に松野宏軌はモタモタした演出で、立ち回りでの緊迫感が伝わってきません。長門勇が相手の刀を搦めてクルクル回し、はじき飛ばす殺陣は面白いのですが、軽い竹光だから可能なのであって、リアリティは薄いですね。百姓の若者役で倉丘伸太郎が出演しているのですが、柔道技で悪党たちを投げ飛ばすのに違和感があります。当時彼が主演していたTVドラマ『姿三四郎』の人気を利用したのでしょうが、百姓の若者がどうして柔道を知っているんだ。長門勇のキャラも『三匹の侍』の桜京十郎と同じようなものだし、テレビのキャラだけを頼りにしている感じの安直な製作で〜す。
HP:チャンバラワールドに「長門勇のチャンバラ」をアップ⇒http://www.asahi-net.or.jp/~uy7k-ymst/star6/nagato1.htm