ワイルダーのホームズ

nostalji2011-01-26

サッカー・アジア杯の準決勝・日本対韓国戦は延長PK戦となり、日本が勝つ。延長で2−1となり、勝利目前で韓国に同点にされたのはいただけないですね。リードしてからの(体力が落ちている中での)戦法が課題となりました。
録画していた『シャーロック・ホームズの冒険』(1970年/監督:ビリー・ワイルダー)を観る。辻馬車がテムズ河で溺れていたという美女(ジュヌビエーブ・パージュ)を、ホームズ(ロバート・スティーブンス)とワトソン(コリン・ブレークリー)の家に運び込んできます。彼女が221Bと書き込まれた荷物預り証を持っていたからなんです。彼女は行方不明になった夫を捜しにロンドンに来て、何者かに襲われたとのこと。ホームズは事件に興味を持ち、活動を開始するんですな。次々と手がかりをたどっていくうちに、兄のマイクロフト(クリストファー・リー)がホームズに事件から手を引くように忠告します。事件の背景には政府の新兵器開発計画があり、ホームズは事件を解決するのですが……
冒頭で、死後50年開封禁止となっていたワトソン博士の遺品から未発表のホームズの冒険談が発見され、この物語が始まります。ワイルダーとI・A・L・ダイアモンドのオリジナル脚本はドイルの雰囲気をこわすことなく、ホームズの私生活を再現していますよ。ワイルダーは洒落たコメディで有名ですが、ユーモア満点にサスペンスを盛り上げています。ネス湖の怪獣とその正体もわかるしね。主演のロバート・スティーブンスとコリン・ブレークリーが地味なのが難点ですが、当初はピーター・オトゥールピーター・セラーズで企画されていたとのこと。両ピーターで観たかったですね。音楽はミクロス・ローザ。最新作の『シャーロック・ホームズ』より、はるかに面白いで〜す。
ところで、面白さについて一言。天野祐吉さんが広告の面白さについて語っていましたが、映画についても同様なことが云えると思います。「面白いというのは、いままで見えていなかった世界が、雲が切れてスッと見えてくる感じ。いままで気づかなかったものにフッと気がつくこと。そのとき雲が切れて、向こうから光がさしこんできて、面が白くなる。それを昔の人は“面白い”といったんです」