小説と映画

nostalji2011-02-24

チャールズ・ポーティス:著(漆原敦子:訳)の『トゥルー・グリット』(ハヤカワ文庫:2011年2月15日発行)を読了。映画公開にあわせて駆け込み出版した感じですね。石上三登志の解説は本の解説でなく映画の解説でしたよ。(笑)
以前、集英社が同じように出版した『ジェシー・ジェームズの暗殺』は、急ぎ仕事のせいか翻訳がひどかったですが、これはマトモでした。1969年にジョン・ウェインの『勇気ある追跡』がヒットして、翌年、同題で一度出版されているので、新訳といってもニュアンスを変えるだけで済みますからね。
今回、初めて原作本を読んだのですが、『勇気ある追跡』が意外と忠実に映画化されていることに驚きました。ウェイン主演なので大幅に内容変更されていると思っていたんですよ。ウェインが手綱を口に咥えて、ライフルと拳銃を撃ちながら4人を相手にするところは映画用の見せ場と思っていたんですが、原作本でもライフルが二挺拳銃になっているだけで同じなんですね。ウェインだからライフルにしただけでね。違うのは、映画では死ぬ若いテキサスレンジャー(グレン・キャンベル)が小説では死ななかったこと。今度の『トゥルー・グリット』は、原作にもっと忠実ということなので、おそらく死なないでしょう。
アクションシーンは映画に敵わないですが、心理描写や食事などの日常の細々したことは、小説だとよく分かりますね。そこが、小説を読む楽しみなので〜す。