主演に合わせてマカロニ的

nostalji2012-05-03

録画していた『荒野の七人/真昼の決闘』(1972年/監督:ジョージ・マッコーワン)を再見。クリス(リー・ヴァン・クリーフ)はアリゾナ連邦保安官をしており、最初の『荒野の七人』から10年後という設定です。保安官をしている旧友からメキシコの山賊に狙われている町を守るのを手伝って欲しいと頼まれるのですが、結婚もして平和に暮らしているので断るんですな。ところが悪ガキに妻を殺され、その一人がメキシコ山賊団に加わって、旧友や町の住人を殺したことから、女子供だけになった町を守ることにします。でもって、仲間集めね。恩赦を条件に監獄にいる、スキナー(ルーク・アスキュー)、ペペ(ペドロ・アルメンダリスJr)、ウォルト(ウィリアム・ラキング)、ヘイズ(ジェームズ・B・シキング)、スコット(エド・ローター)を仲間にします。それに、伝記を書くと言ってクリスにたかっていた新聞記者のノア(マイケル・カラン)が加わって七人ね。
“荒野の七人”は、クリスが集めた5人のプロガンマンとクリスにあこがれる純粋な若者という構成だったのですが、今回は純粋な若者でなく、クリスの武勇伝を聞くために付いてまわって巻き込まれるイイカゲンな男というのが新味です。『キャット・バルー』でも、どちらかというとイイカゲンな男を演じていたマイケル・カランがいい味を出していましたよ。
それと、監獄で手っ取り早く集めた仲間は、クリスを裏切る恐れがあるというのも、これまでにないものでした。そのため、すぐに町の防衛に行かず、留守中の山賊のボスの屋敷を襲ってボスの情婦をさらい、仲間の名前をボスに知らせて裏切らないようにするのね。クライマックスの攻防戦では、最初に町の外で待ち受けるのですが、距離をしめす標識を立てて、狙撃銃で狙い射ち。敵の射程内になったら、事前に仕掛けておいた鉄条網やダイナマイトで敵を釘付けにし、アノテコノテで敵の数を減らしていくのが面白いです。
主演のリー・ヴァン・クリーフマカロニウエスタンで名を挙げ、7年ぶりの本場西部劇出演となりました。射たれた男の身体から血が噴出す演出や、画面には出てこないが悪党が情け容赦なく女性を暴行したり、命乞いをする悪ガキをクリスが有無を言わせず射ち殺したりするのは、これまでの“荒野の七人”にはない、マカロニ的なものです。重傷を負ったクリスがすぐにピンピンするのもね。(笑)