シリーズと共に成長

nostalji2012-12-10

ビデオに録画保存していた『新吾二十番勝負(第二部)』(1961年・東映/監督:松田定次)を観る。第一部でした新吾の行為は正しいことでも法は法、新吾は四国・西条に預かりの身となります。新吾を慕う由紀姫やお縫(桜町弘子)がやって来たり、領主・松平頼安(薄田研二)は新吾に剣を捨てさせようとしたりして、その煩わしさから新吾は城を抜け出すのね。
柳生の依頼を受けた白根弥次郎が待ち伏せしていて立ち合いになりますが、新吾の押しかけ家来の六尺六平太(千秋実)が邪魔をして危機を脱することができます。弥次郎との再会により、新吾は剣の教えを受けるために納富一無斎の山深い庵を訪ねるんですな。そして、剣の悟りを得た新吾は、母・お鯉の方と対面することを決意します。
しかし、弥次郎が秩父大台ケ原の自源流道場に乗り込み、新吾の恩師・真崎庄三郎(岡田英次)を打ち倒し、新吾がやって来るのを待って居座るのね。新吾は母との対面をすて、秩父に駆け付けて白根弥次郎と対決です。
剣を出世の道具と考え、「殺したり、殺されたり、それが剣を志す者の宿命だ」と嘯く白根弥次郎と、「人を殺めるのが剣ではない、俺が求めるものは剣の道だ」と言う新吾の、殺人剣と活人剣の対決ね。ギラギラした平幹二郎の存在感が大きく、ラストの決闘は、“新吾シリーズ”の中でも屈指の名シーンといえます。大川橋蔵の立ち回りは、クネクネしていて私は好きじゃなかったのですが、“二十番勝負”では、腰のすわった剣豪らしいチャンバラを見せてくれま〜す。