意外と知られてないので

nostalji2012-12-09

ビデオに録画保存していた『新吾二十番勝負』(1961年・東映/監督:松田定次)を観る。“十番勝負”で宿敵・武田一真に勝って日本一の剣客になった葵新吾(大川橋蔵)に、関所破りの浪人を斬捨てた白根弥次郎(平幹二郎)が挑戦してくるんですな。
弥次郎との立会いで崖下に転落し、新吾は弥次郎の師匠である納富一無斎(大河内伝次郎)に助けられます。そして京都に来た新吾は、京都所司代の悪政のために、荒廃したままになっている御所の塀に心を痛めます。そのことを、新吾を慕う酒井讃岐守(三島雅夫)の娘・由紀姫(丘さとみ)から知らされた生母・お鯉の方(長谷川裕見子)が修復費用を用意するのね。
禁裏への寄進は違法行為で、新吾の存在をよく思わない太田備中守(小沢栄太郎)の提言で将軍吉宗(大友柳太朗)はお鯉の方に謹慎蟄居を命じます。備中守の差し金で、新吾へは刺客と京都所司代から討手が差し向けられますが、新吾は父・吉宗に具申のため二条城へ。
だまって見つめあう父子。これが初対面なのね。天下の将軍から父親に返った吉宗の目に涙。思わず涙腺が緩んできましたよ。大友柳太朗の無言の演技が良かったこともあるんですけどね。何も言えずに立ち去る新吾なので〜す。