今度は西部劇

nostalji2013-02-04

西部劇DVDの『烙印』(1950年/監督:ルドルフ・マテ)を観る。町で騒動を起こして逃げ出したチョーヤ(アラン・ラッド)は、レフ(ロバート・キース)という男から大牧場主(チャールズ・ビックフォード)が捜している息子になりすまして財産を奪う話をもちかけられます。その息子というのは5歳の時に誘拐されていて、チョーヤは牧場主一家をうまく信用させますが、牧場主の娘(モナ・フリーマン)を愛するようになって自分を偽ることができなくなるのね。レフが誘拐犯だとわかり、チョーヤはメキシコの山賊ルブリスに息子のトニオとして育てられていることをレフから訊きだし、息子を助けに行きます。ルブリスを親愛するトニオはチョーヤから事実を告げられ衝撃を受けますが、実の両親に会いたくなり、チョーヤに同行。チョーヤに息子を拉致されたと思ったルブリスは部下を率つれて牧場に乗り込みますが……
悪人は、分け前を増やそうとチョーヤに牧場主の息子と同じ痣の刺青を施した仲間を殺し、心変わりしたチョーヤをルブリスを利用して殺そうとするレフぐらいなもので、登場人物は根が善人ばかり。銃撃戦でも死人が出ることはありません。唯一の悪党であるレフが馬の暴走に巻き込まれて死ぬくらいね。互いに理解しあって、ハッピー、ハッピーで終わる100%ご都合主義映画です。
カメラマン出身のルドルフ・マテの演出には、映像に空間的広がりを持った優れた構図が多々見られますが、それだけね。一杯飲んで寝転んで観るには、刺激のないぬるま湯も良いもんだ。