吉岡の代わりに

nostalji2013-05-30

ビデオに録画保存していた『宮本武蔵・金剛院の決闘』(1943年・大映/監督:伊藤大輔)を観る。戦後、再上映された時の改題で、当初は『宮本武蔵・二刀流開眼』でした。続編が『宮本武蔵・決闘般若坂』で二部作となっています。
姫路城で3年間幽閉されていた武蔵(片岡千恵蔵)が、剣の道に進むことを決意し、花田橋でお通(相馬千恵子)と別れ、山伏たちの道場・金剛院を訪ねます。金剛院主を破ったものの、山伏たちに追われ手傷を負って、柳生の里へ。花の枝の切り口を見て、柳生石舟斎(薄田研二)を訪ねますが、柳生の高弟に阻まれます。高弟たちとの対決で武蔵は二刀流を開眼するのね。石舟斎の庵に近づいた武蔵は、石舟斎と沢庵和尚(香川良介)の会話を立ち聞き、自分の未熟さを悟り、お通の笛の音を聞き、柳生を立ち去るのです。
吉岡一門は登場せず、金剛院山伏が武蔵の相手ね。金剛院主の兄が宍戸梅軒(月形龍之介)で、一部では顔見せ程度。又八(原健策)と朱美(市川春代)が登場しますが、物語に深く絡むところがなく、いてもいなくてもいいような存在でした。二人のキャラは原作を知っていることが前提ですな。
千恵蔵のチャンバラに長回しはなく、演出でカッコよく見せています。それでも、棒や薙刀の集団を相手にする殺陣は珍しく、面白い趣向でした。左腕に手傷を負った武蔵が、右腕だったら防ぎきれなかったと悟り、両腕が自由に使えるように左腕を鍛える修行もね。これが二刀流誕生につながるので〜す。