ローン・レンジャー

nostalji2013-08-08

昨日は、シネコンで『ローン・レンジャー』と『終戦のエンペラー』を観る。でもって、期待した『ローン・レンジャー』(監督:ゴア・ヴァービンスキー)ですが、西部劇アニメ『ランゴ』と同様に西部劇(マカロニ含む)ネタはふんだんに出てきます。それに、音楽の使い方も上手いです。CGでないセット(製作費が膨れ上がったのが納得)やスタントをふる活用したアクションなど見どころ満載(「ウィリアム・テルの序曲」にのって繰り広げられる最後の10分は最高!)なのですが、今イチ面白くなかったです。
お話は、検事となって西部に戻ってきたジョン・リード(アーミー・ハマー)が、テキサスレンジャーの兄ダン(ジェームズ・バッジ・デール)と脱走した凶悪犯キャヴェンディッシュ(ウィリアム・フィクトナー)を追うのですが、途中で待ち伏せされて射ち殺されます。ジョンを甦らすのが白馬シルバーとトント(ジョニー・デップ)です。トントは仲間を殺した復讐のためにキャヴェンディッシュを追っていたのね。トントがダンの着ていた革のベストからマスクを作り、ジョンはローン・レンジャーとなってトントとキャヴェンディッシュ一味を追うのですが、法に基づく正義を求めるジョンと手段を選ばない復讐を求めるトントとは全くかみあいません。やっとの思いでキャヴェンディッシュを捕えても黒幕がおり……
あまり重要でない場面がムダに多く、150分の長さが少し苦痛になります。リアルにこだわるにしては超常的なものが出たり、残虐なシーンを見せておいて正義にこだわるローン・レンジャーをパロディにするのかと思えば、意外と真面目で、そうなっていないのね。やたらと殺人をくりかえすキャヴェンディッシュに対して頑固なまでに法の正義をふりかざすローン・レンジャーはパロディのつもりではないらしく、笑うに笑えません。ジョニー・デップの皮肉な会話と独特な動きも、それだけ見れば面白いのですが、全体として見ると浮いています。テーマが絞れずバランスが悪くなった作品で〜す。
終戦のエンペラー』については、明日ね。