設定は壮大だが

nostalji2013-11-26

西部劇DVDの『カリフォルニア』(1947年/監督:ジョン・ファーロー)を観る。フェビアン(バリー・フィッツジェラルド)率いる幌馬車隊がトランボ(レイ・ミランド)の道案内でカリフォルニアを目ざしているんですな。途中の町で莫連美女リリー(バーバラ・スタンウィック)が加わります。トランボはリリーに惹かれますが、心と裏腹に冷たい態度をとるのね。カリフォルニアで金が発見されてゴールドラッシュが始まり、幌馬車隊の連中も家財を捨てて一目散にカリフォルニアへ。フェビアンとトランボは彼らを止めることができず、隊列はバラバラになります。カリフォルニアでは新しい町が誕生し、元奴隷商人のコフィン(ジョージ・カラリス)が支配する町ではリリーの酒場が金鉱堀り相手に大繁盛。コフィンはカリフォルニアを支配する野望を持っていて、州に昇格させようとするトランボと対立し……
幌馬車隊の大移住、ゴールドラッシュ、独立か州昇格かの対立といった壮大な背景を持ったドラマですが、登場人物の性格を複雑にしたため中途半端な出来となっています。ミランドは女性問題で軍隊を脱走したらしく、スタンウィックに対して素直になれず、スタンウィックも社会に対して反感を持っているのですが原因は不明。二人の行動がよくわからないんですよ。軍隊脱走という過去が、悪との対決においてサスペンスになるのかと思ったのですが、主人公の性格設定のためだけとはね。黒人残虐というトラウマを持っている悪党もピンときません。アンソニー・クインなんか、何のために出てきたのか、存在感すらありません。ミランドのアクションもヘッピリ腰でお寒く、大合唱で歌い上げても、壮大感がまるでない作品で〜す。