週に一度は西部劇

西部劇パーフェクトコレクションに収録されている『フォート・オーセージの戦い』と『アル・ジェニングス物語』を観る。

『フォート・オーセージの戦い』(1952年/監督:レスリー・セランダー)は、カリフォルニアを目指す移民から暴利を貪る悪党と戦う幌馬車ガイドの物語。

カリフォルニアを目指す幌馬車の最後の集結地であるフォート・オーセージの町の責任者ピケット(モリス・アンクルム)は、悪党のキーン(ダグラス・ケネディ)と組んで、入植者から商品代や滞在費を過大請求しています。さらに、保留地にいるインディアンに支給物資を渡さなかったことからインディアンが蜂起。幌馬車隊の案内人になるためにオーセージの町に向かっていたトム・クレイ(ロッド・キャメロン)は、インディアンに襲われる幌馬車を目撃。トムは安全な旅ができるように、インディアンの酋長(アイアンアイズ・コーディ)との交渉に行きますが……

上映時間69分のB西部劇。スピーディーな展開で退屈はしませんが、中身は薄っぺら。主演のロッド・キャメロンは1940年~50年代に活躍したB西部劇スター。「どんな大作に出るよりも西部劇に出ていたい」と言っていたそうです。テレビの普及でB西部劇がなくなると、多くのテレビ西部劇にゲスト出演した後、イーストウッドより早くイタリアに渡り、マカロニウエスタンに主演。『荒野の用心棒』が出るまでは、マカロニ独自の世界観はなく、ハリウッド西部劇のイミテーションのような作品ばかりで、キャメロンの渋みのある硬派キャラは当時のイタリア西部劇にはうってつけだったようです。

『アル・ジェニングス物語』(1951年/監督:レイ・ナザロ)は、実在した無法者の半生を描いた物語。

南北戦争の混乱の中でアル・ジェニングスは4人兄弟の末っ子として産まれます。成長したアル(ダン・デュリエ)は弁護士になりますが、裁判官である父に反発して兄のフランク(ディック・フォーラン)とオクラホマへ。そこで、マーゴ(ゲイル・ストーム)という女性と知りあい恋仲になります。しかし、兄のエドを殺したマースデン(ジョン・デナー)が釈放されたことに怒りをおぼえ、マースデンを殺してフランクと逃亡。牛泥棒一味に加わり、犯罪に手を染め……

司法制度に対する怒りから悪の道に入るという定石的な無法者映画。ダン・デュリエが演じると凶悪犯に見えて仕方ありませんでした。アル・ジェニングスは捕まり、終身刑となるのですが恩赦で、5年で釈放。出所後は弁護士となり、準州だったオクラホマの州昇格に尽力したとのこと。登場人物の名前は変えていますが、アル・ジェニングスの自伝に基づいて映画化されたようで~す。

画像は、実在のアル・ジェニングス。

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