本当の主役は

nostalji2014-04-13

録画していた『仁義なき戦い・完結篇』(1974年・東映/監督:深作欣二)を再見。警察の頂上作戦によって山守(金子信雄)は引退し、武田(小林旭)は広島ヤクザを大同団結させて政治結社・天政会を結成します。しかし、会の幹部となった大友(宍戸錠)や早川(織本順吉)が武田の方針に反発するんですな。その混乱に乗じ、広能(菅原文太)の兄弟分・市岡(松方弘樹)が呉から広島制覇を目指して乗りこんできます。不穏な様相に、警察は武田の仮釈を取り消して逮捕。武田が若頭の松村(北大路欣也)を会長代行にしたことから大友と早川が激しく反発。市岡は彼らと共闘して松村を狙いますが、逆に松村の手のものに殺されます。その頃、呉では氏家(伊吹吾郎)が留守を守る広能組と槙原組が対立。出所してきた組長の槙原(田中邦衛)が広能組の若者に殺されます。保釈になって会長に復帰した武田は、出所してきた広能に自分の引退を知らせると同時に、広能に引退を迫ります。会長襲名がきまった松村は、江田(山城新伍)を伴って挨拶回りの途中、反対派の襲撃を受け、江田は死亡し、松村は重傷。しかし、重体のまま松村は襲名披露を行います。もはや自分たちの時代が終わったことを悟った広能は、松村に組員たちの進退を依頼して引退するのです。
脚本が笠原和夫から高田宏治に変わりました。本来は前作で終了するはずだったのが、会社の要請で追加となったんですな。そのためか、『広島死闘篇』で登場した大友勝利が千葉真一から宍戸錠に変わり、前作までの早川役が室田日出男から織本順吉に変わりました。全体的なトーンは踏襲されており、違和感はありません。
今回シリーズを再見して、金子信雄の巧さ(NHK大河『軍師官兵衛』の片岡鶴太郎の演技は、金子信雄の山守を参考にしていますな)もさることながら、ヘタレ極道の田中邦衛がいいですねェ。本領発揮です。だけど、男をあげるために、ひたすら暴力の中につんのめってゆくチンピラたちと、ピラニア軍団の演技がマッチして最大効果をあげたのがシリーズ成功の最大要因で〜す。