現在はロッテ

nostalji2015-04-13

録画していた『一刀斎は背番号6』(1959年・大映/監督:木村恵吾)を観る。現在の視点でみると、抱腹絶倒の野球映画です。
奈良の山奥で一刀流の修行をつみ、陽炎の秘剣を会得した伊藤一刀斎菅原謙二)は合気道の達人と試合をするために東京へ出てきたのですが、達人は騒がしい東京を嫌って放浪の旅に出て不在。一刀斎は旅館の娘・芳江(叶順子)と後楽園に野球見物に来て、大毎・西鉄の試合前の素人ホームラン競争に出場します。投げる投手はパリーグ屈指の名投手・稲尾。その稲尾からホームランを打つんですな。早速、大毎のスカウト(多々良純)が獲得に乗りだします。達人が東京へ帰ってくるまでの滞在費用が必要な一刀斎は大毎に入団し、八相の構えから、陽炎の秘剣で打てば必ずホームラン。ところが守備は全くダメなので代打専門ね。アメリカから大リーグ選抜がやってきて、全パ軍と対戦。2点リードされた9回裏、塁上には野村と田宮がおり、一刀斎が代打されます。大リーグ投手の魔球に2球空振りした一刀斎は、目隠しして心眼でホームラン。達人が旅先で死んだことがわかり、一刀斎は野球の栄光に見向きもせず、奈良の山奥に帰るのです。
一刀斎を恋するようになった芳江や、交通事故にあった達人の娘(仁木多鶴子)との交流が並行して描かれ、ヤクザから助ける色気ムンムンの踊り子(春川ますみ)が彩を添えます。原作者の剣豪小説家・五味康祐や人気解説者だった小西得郎が本人役で出演している他、当時の現役選手(大毎の小野・田宮・葛城・榎本、西鉄の稲尾・中西・豊田、南海の野村など)が出演しており、彼らを見るだけでも楽しかったで〜す。