短縮版でも充分

nostalji2015-05-22

西部劇DVDの『背高きテキサス人』(1953年/監督:エルモ・ウィリアムズ)を観る。欲と裏切りで身を滅ぼしていく人間たちを描いた西部劇です。原題の“The Tall Texan”は、トール・テキサンと呼ばれた実在した無法者(ブッチ・キャシディサンダンス・キッドの仲間だった)ベン・キルパトリックがモデルだからでしょう。
裁判にかけられるために護送中のベン(ロイド・ブリッジス)の乗り合わせた馬車が傷を負ったインディアンを助けますが、敵対する別の部族が馬車を襲撃。襲ってきたインディアンを撃退するものの、馬車は転覆して壊れます。助けたインディアンが金塊を持っていたことから、乗客たちは金塊探しに行くのね。保安官(サミュエル・ヘリック)もベンを連れて砂金採り。そこはインディアンの墓場の近くで、インディアンから墓場に入るなと言われたのに商人のティナー(ルーサー・アドラー)が墓場で金塊を見つけたことから……
インディアン襲撃までは快調だったのですが、砂金採りになってからはダラダラします。ラストの墓場に入ったことに怒ったインディアンの襲撃もモタモタしていて迫力不足。酒場女のローラ(マリー・ウィンザー)を好きになった船長(リー・J・コッブ)が主人公と敵対関係となると思いきや、ローラとベンが愛しあっていると知って、自分が犠牲になってインディアンの大群から二人を逃がすなんて拍子抜けです。リー・J・コッブは悪党でないと魅力がありませんな。57年の日本公開時は45分の短縮版で上映されたようですが、間延びしたところが多々あるので影響なかったかも。画像は、ロイド・ブリッジスとマリー・ウィンザー