東映映画史

nostalji2016-03-20

帰省の新幹線で読みかけだった春日太一:著の『あかんやつら』(文藝春秋:2014年第5刷発行)を読了。副題に“東映京都撮影所血風録”とあるように東映京都の映画史です。東映東京撮影所でも“多羅尾伴内”“警視庁物語”“網走番外地”“女囚さそり”などのシリーズが製作されていますが、東映といえば時代劇で、製作数の圧倒的ボリュームから東映京都の映画史=東映映画史といっても過言でありません。
本書は、第1部:時代劇黄金期、第2部:混乱する撮影所、第3部:暴力とエロスの都、第4部:必死のサバイバルという構成になっています。東映の興亡は、私の映画史と重なりますね。東映隆盛の礎となった『笛吹童子』で始まる“新諸国物語”シリーズで東映時代劇のとりことなり、粗製濫造でマンネリ化したころ私は東宝の特撮やアキラを中心とする日活アクションに浮気。洋画中心の映画鑑賞の中にあって再び東映に魅力を感じるようになってのは、健さんを中心とする任侠路線と“仁義なき戦い”シリーズ。社会人として仕事が忙しくなってきて観たものといえば、『柳生一族の陰謀』と『赤穂城断絶』だけね。
人口構成で大きなシェアを占める団塊の世代の映画嗜好(成長に応じて変化)と東映映画のヒットはリンクしてますなァ。