復活多羅尾伴内

nostalji2018-07-06

録画していた『多羅尾伴内』(1978年・東映/監督:鈴木則文)を再見。原作者・比佐芳武の弟子筋にあたる高田宏治が脚本を書き、18年振りに復活した作品です。藤村太蔵(小林旭)が、多羅尾伴内・片目の運転手・流しの歌手・手品好きの紳士・白バイ警官・せむし男に変装して難事件を解決。
満員の野球場でサヨナラホームランを打った選手がカメラに仕込んだ毒バリを射たれて死にます。犯人と思われたカメラマンも同様に死に、宇田川警部(財津一郎)は自殺と考えますが、カメラマンの妹(竹井みどり)の証言で多羅尾伴内は殺人と断定。そんな伴内のところへ信愛大学理事長・木俣(池辺良)から脅迫事件の調査依頼がきます。アイドル歌手が殺され、事件の背景に殺された選手と歌手と木俣の息子(江木俊夫)が北海道で起こしたひき逃げ事件が関係していることがわかり……
復讐を利用して邪魔者を一掃しようとする悪党と対決する“七つの顔の男”を、“トラック野郎”シリーズでヒットを飛ばしたプロデューサーの天野完次と鈴木則文監督コンビがケレン味たっぷりに描いています。この二人、菅原文太主演で『丹下左膳』の復活を試みたことがあるんですが、「こんなもん、今どき」の社長のひと言でつぶれているんですね。でもって、この作品ですが、小林旭が主演したことで成功しました。アキラは日活時代に“銀座旋風児”シリーズなどで荒唐無稽な探偵物をヒットさせており、千恵蔵スタイルが似合っています。舞台を都会から田舎に移した次作『多羅尾伴内・鬼面村の惨劇』がコケて、復活シリーズはエンド。私好みの映画だったんですけどねェ。
画像は、『多羅尾伴内』の主題歌「霧の都会」のレコードジャケット。B面の「7のテーマ」は、白バイでの追跡シーンなどで流れた挿入曲。「霧の都会」は、私の好きな歌。♪〜向いてないのさ、俺に恋なんか〜